タニヤ通りとは?日本語が通じるバンコクの夜遊び街を解説!

初めてタニヤ通りに足を運んだのは、シーロムで仕事の付き合いがあった夜でした。

サラデーン駅の階段を降りると、いきなり日本語の看板が目に入ってきて、少し戸惑ったのを覚えています。
ここは本当にバンコクなのか、と。

道の両側には、カラオケの女の子たちが並んで座っていました。
呼び込みの声も、半分は日本語でした。
正直、最初はどの店に入ればいいのか、何が違うのかもわからず、しばらく突っ立っていました。隣を歩いていた同僚に、軽く笑われたのを覚えています。

あれから何度か通ううちに、タニヤという場所の輪郭が、少しずつ見えてきました。カラオケだけの通りだと思っていたら、実はそうでもないことも、後から知りました。

今回は、そんなタニヤ通りがどんな場所なのか、初めて訪れる人にもわかるように、順を追って説明していこうと思います。

タニヤ通りってどんな場所?

タニヤ通りは、シーロム通りとスリウォン通りを結ぶ、約200〜300mの短い通りです。距離だけ聞くと「それだけ?」と思うかもしれません。でも、この短い通りに、日本語の看板がびっしり並んでいます。

アクセスも抜群です。BTSサラデーン駅からは目と鼻の先。MRTシーロム駅からも徒歩5分ほど。迷う要素がほとんどありません。

この通りの発展は1970年、タイ人医師夫妻がタニヤ通り周辺の土地開発に着手したことから始まったと言われています。ビルの名称が夫妻の長男「タニヤ」に由来し、やがて通り自体もタニヤ通りと呼ばれるようになったという経緯です。その後、1970年代から日系企業がこの地域に拠点を構えはじめ、1980年代のプラザ合意を機にタイへ進出する日系企業がさらに増加。働くために多くの日本人が、このエリアに集まっていきました。

こうしてタニヤ通りは、日本人観光客や駐在員を対象とした日本人クラブ、カラオケ、日本料理店などが密集する場所として知られるようになり、「日本人クラブ・リトルトーキョー」と呼ばれるようになりました。単なる夜遊びスポットというより、日本語だけで生活も遊びも完結できてしまう、ちょっと特殊な一角なんです。

タニヤ通りにある夜遊びスポットの種類

タニヤと聞いて多くの人がイメージするのは「カラオケ」だと思います。でも実は、それだけではありません。

「カラオケ」=タニヤの夜遊びの総称
タニヤで遊んだことがある人がよく口にする「カラオケ」。日本でイメージする「歌うだけの店」とは、ちょっと違います。日本から持ち込まれたカラオケ機材をクラブに設置したのがきっかけで、そういう店を「カラオケ」と呼ぶようになった、という説が有力です。そこから、女の子と飲んだり話したりするキャバクラ的な店全般を、ざっくり「カラオケ」と呼ぶのが定着しました。つまり「カラオケに行く」は、実態としては「クラブ型の夜のお店に行く」に近い意味合いです。この言葉のズレが、初めての人が一番戸惑うポイントだと思います。
カラオケ(クラブ型)ってどんな店?
タニヤのカラオケは、店の外に女の子たちが並んで座っているのが名物の光景です。歩きながら気になる子がいれば、そのまま店内で一緒に飲んだり歌ったりする、というのが基本の流れになります。料金や連れ出しのルールなど、店ごとに差がある部分も多いので、そこは別記事で詳しく説明します。ここでは「タニヤ=クラブ型の店が中心」という全体像だけ、押さえておいてください。
カウンター越しに飲む「スナック」タイプの店もある
カラオケほど目立ちませんが、タニヤにはカウンター越しにママや常連客と会話を楽しむ、日本のスナックに近いスタイルの店も点在しています。華やかなクラブの雰囲気とは対照的に、落ち着いた空間でゆっくり飲みたい人向けの店、というポジションです。長年通っている常連客がいる店も少なくないようで、一見さんお断りに近い空気の店もあります。数としては主流ではないので、「カラオケ以外にそういうタイプの店もある」くらいの認識で大丈夫です。

夜遊び以外にもタニヤにあるお店

タニヤは、夜の顔だけの通りではありません。

実は日本食レストランや居酒屋の激戦区でもあります。タイの英字紙The Nation Thailandがタニヤ通りを特集した際には、通りに40軒以上の日本料理店がひしめき合っていると紹介されたほどです。

ラーメン、寿司、焼肉、家系ラーメン。ジャンルもひと通り揃っています。日本の味が恋しくなったときの避難場所として、重宝している人も多いはずです。

面白いのは、日本のチェーン店がそのまま出店していること。名古屋名物の手羽先で知られる「世界の山ちゃん タニヤ店」は、通りのど真ん中にある人気店です。餃子でおなじみの「大阪王将」も、タニヤ通り沿いのヤダビル内に支店を構えています。

味は、どちらも日本と変わりません。「本当にバンコクにいるのか」と、ふと我に返る瞬間だと思います。

夜遊びのイメージが強いタニヤですが、昼間は日系企業のオフィス街としての顔もあります。両替所や日系ドラッグストア、タニヤプラザ内のゴルフ用品店。生活に必要な店も、一通り揃っています。

両替なら「タニヤ・スピリット」

両替所の中でも特に有名なのが「タニヤ・スピリット」です。BTSサラデーン駅からタニヤ通りに入ってすぐの場所にあります。店内はずらりとお酒のボトルが並んでいて、パッと見は普通の酒屋です。実際、本業もそちらなのですが、日本人の間ではレートの良い両替所として知られています。知らずに通り過ぎてしまう人も少なくないはずです。夜遅くまで営業しているので、遊ぶ前の軍資金調達にちょうどいい場所です。ただしレートは日によって変動するので、「タニヤ・スピリットなら絶対一番お得」と決めつけず、その日の掲示レートは確認しておくのが安心です。

つまりタニヤは、「夜遊び」「日本食」「日用品の買い物」がひとつの通りで完結してしまう。日本人にとって、かなり便利なエリアなんです。

タニヤ通りとパッポン通りって同じ?違うの?

タニヤの近くには、パッポン通りというもうひとつの有名な歓楽街があります。歩いて数分の距離にあるので、「同じ場所じゃないの?」と勘違いされがちですが、これは別の通りです。

パッポンは、ベトナム戦争の時代にアメリカ兵の休暇先として発展してきた歴史を持つエリアです。現在はゴーゴーバーが立ち並ぶ通りとして知られ、通りの一角にはナイトマーケットも併設されています。屋台グルメやコピーブランド品を見て歩く観光客の姿も多く、夜遊びと観光が混ざったような独特の賑わいがあります。

ゴーゴーバー以外にも、通りを歩いていると「ピンポンショー見せるよ」「セクシーショーあるよ」と声をかけてくる客引きに出会うことがあります。ただしこの手の呼び込みは、最初の数分だけ無料でその後は高額請求、というぼったくりのパターンが多いことでも知られています。声をかけられても、そのままついていかないのが無難です。

一方のタニヤは、ここまで説明してきた通り、日本語の看板とカラオケ(クラブ型の店)が中心のエリアです。同じシーロムエリアにありながら、成り立ちも中心となる店のタイプもまったく違う、という点は覚えておくとわかりやすいと思います。

項目 タニヤ通り パッポン通り
中心となる店 カラオケ(クラブ型の店) ゴーゴーバー
看板の言語 ほとんどが日本語 主に英語・タイ語
成り立ち 1970年代〜日本人ビジネスマン向けに発展 ベトナム戦争期〜欧米兵士の休養先として発展
通りの雰囲気 日本人街らしい落ち着いた雰囲気 ナイトマーケットもある観光地寄りの雰囲気
注意点 特になし ピンポンショーの客引きにご用心

タニヤ通りへの行き方

タニヤ通りへのアクセスは、シンプルです。

BTSサラデーン駅を降りてすぐ。駅のホームからタニヤ通りの様子が見えるほどの近さです。MRTなら、シーロム駅から徒歩5分ほどでタニヤ通りの入り口に着きます。

シーロムエリア自体がバンコクの中心的なビジネス街なので、他の観光エリアからのアクセスも比較的スムーズです。

まとめ:タニヤ通りは初めてでも歩きやすい夜の街

タニヤ通りは、日本語の看板とカラオケと呼ばれるクラブ型の店が並ぶ、日本人にとって独特の安心感がある夜の街です。カラオケ以外にも、落ち着いたスナックタイプの店があったり、世界の山ちゃんや大阪王将のような見慣れたチェーン店があったり。夜だけでなく、昼にも別の顔を持っているのが面白いところです。

すぐ近くにあるパッポン通りとは、雰囲気も中心となる店のタイプもまったく違います。両方をはしごしながら、自分に合う場所を探してみるのもおすすめです。

初めてタニヤに行くときは、身構えすぎなくて大丈夫です。歩いてみれば、思っていたよりずっとシンプルな街だと感じるはずです。