タクシー・移動で困らないタイ語フレーズ集

ホテルの送迎に慣れてきた頃、初めて流しのタクシーを自分で止めてみたことがある。

スマホの地図を見せながら、店の名前を英語で伝えた。
運転手は画面をちらっと覗き込んで、「ダーイ」と一言。
それだけで、車は迷いなく走り出した。

毎回うまくいくとは限らない。
黙って首を振られたり、聞き返されたりすることもある。
運転手によって反応はさまざまで、拾うたびに少し緊張する場面だ。
それでも、こちらの言葉が少しでも通じると、車内の空気はふっと変わる。
その一瞬の安心感は、何度経験しても悪くないものだ。

言葉は完璧じゃなくていい。
ただ、一言伝わるだけで、こちらの気持ちにも余裕が生まれる。
最初の数分がスムーズだと、その後の時間も気持ちよく過ごせるものだ。

今回は、そんな移動の場面で使える言葉を、いくつか紹介していこうと思う。

バンコクの夜、タクシーでよくあるトラブルとは

日本だと、タクシーは「ここぞという時に使うもの」というイメージが強いかもしれません。
バンコクでは感覚が違って、電車やバスと同じくらい気軽に使われている移動手段です。初乗り料金も安く、道端で手を挙げればすぐ捕まる。近所へのちょっとした移動でも、みんな当たり前のようにタクシーを使っています。

ただ、困りごとが増えやすいエリアもあります。
特にソイカウボーイやナナプラザのような、外国人向けの歓楽街周辺。代表的なのが、メーターを使いたがらないタクシーです。あらかじめ「〇〇バーツで」と定額を提示してくることがあり、この金額はメーターで走るより高めに設定されていることがほとんどです。

もうひとつが、行き先がうまく伝わらないケース。
ナナプラザやソイカウボーイのような有名スポットでも、発音や言い方次第で「?」という顔をされることがあります。

どちらも、事前にいくつか言葉を知っておくだけで、かなり回避しやすくなるトラブルです。

乗車時に使う言葉

タクシーに乗ったら、最初に伝えておきたいことがいくつかあります。
どのフレーズも、丁寧に言いたい時は語尾に「クラップ」を付けるだけでOKです。

行き先を伝える

パイ 〇〇 ダイマイ
「〇〇に行ける?」という意味です。
「パイ」が「行く」、「ダイマイ」が「できる?」にあたる部分。〇〇の部分に行き先の名前を入れるだけで、そのまま使えます。ナナプラザやソイカウボーイのような繁華街はもちろん、BTS駅名やホテル名でも同じ形で使えます。
ヤーク パイ 〇〇
「〇〇に行きたい」という意味です。
「パイ 〇〇 ダイマイ」が「行けますか?」と尋ねる形なのに対して、こちらは「行きたいです」とそのまま伝える形。聞き方が変わるだけで意味はほぼ同じなので、言いやすい方で大丈夫です。

〇〇の部分によく入るのが、「タノン(通り)」「ソイ(路地)」という言葉です。
大通りの名前には「タノン・スクンビット」のように前につけ、路地には番号がついていて「ソイ〇〇」という形でよく使われます。
実は、この「通り名+ソイ番号」の伝え方は、運転手に一番伝わりやすい方法でもあります。有名スポットの名前より、住所感覚のソイ番号の方が、タクシーの運転手には馴染みがあるからです。行き先が分かりづらい場所の時ほど、このセットで覚えておくと重宝します。

ソイの奥まで入らず、通りの角で降りたい時は「パクソイ(路地の入り口)」という言い方が使えます。
逆に、大通りから目的のソイへ曲がって入ってほしい時は「カオ ソイ〇〇(〇〇のソイに入って)」という言い方が使えます。

ナナプラザやソイカウボーイのような有名スポットは、地名としてそのまま通じることが多いです。
ただ、発音が微妙にズレると伝わらないこともあるので、心配な時はスマホの地図や、英語表記の店名を一緒に見せるのが確実です。

メーター・高速・荷物をお願いする

チャイ ミーター ノイ
「メーターを使ってください」という意味です。
「チャイ」が「使う」、「ミーター」がそのまま「メーター」、「ノイ」は語尾につけると柔らかいお願いになる言葉です。乗車してすぐ、この一言を伝えるだけで、定額交渉を持ちかけられる場面をかなり減らせます。運転手が「ダーイ」と返せばOK、「マイダイ」なら断られたサインです(①基本のタイ語で紹介した「ダイ」「マイダイ」と同じ単語です)。
チャイ ターンドゥアン ダイマイ
「高速道路を使ってもいい?」という意味です。
ただ、実際はこちらから聞くより、運転手から先に聞かれることの方が多いです。タイ語の「ターンドゥアン ダイマイ?」のこともあれば、「ハイウェイマイ?」のように英語まじりで聞かれることもあります。
高速代の精算方法は2パターンあり、降りる時にメーター料金とまとめて払う場合と、料金所の手前で運転手から「〇〇バーツ」と言われて、その場で渡す場合があります。
プーッ カンラン ノイ
「後ろ(トランク)を開けて」という意味です。荷物がある時は、乗り込むタイミングでこの一言を使います。

メーターを使ってくれない場合は、急いでいなければ、一度そのタクシーを見送るのもひとつの手です。
バンコクは台数も多いので、次のタクシーを探す方が結果的にスムーズなことがほとんどです。

道中で使う言葉

目的地の近くまで来たら、細かい位置を伝える一言も覚えておくと安心です。

トロン パイ
「まっすぐ行って」という意味です。
リアウ サーイ
「左に曲がって」という意味です。
リアウ クワー
「右に曲がって」という意味です。
チャーチャー
「ゆっくり」という意味です。
バンコクのタクシーは飛ばす運転手が多いので、次のソイで曲がってほしい時などは、少し手前でこの一言を挟むと速度を落としてくれるかもしれません。
グラップ ロット
「Uターンして」という意味です。
タイの大通りは中央分離帯で仕切られていることが多く、反対車線側に行きたい時は、決められたUターンポイントで折り返す必要があります。目的地を通り過ぎてしまった時にも使える一言です。
ジョー トロンニー
「ここで停めて」という意味です。
目的地の少し手前で伝えると、スムーズに寄せて停めてくれます。「ジョー ティーニー」という言い方でも同じ意味で通じます。
ロン ティーニー
「ここで降ります」という意味です。
「ジョー トロンニー」が運転手への指示なのに対して、こちらは自分の行動をそのまま伝える言い方です。ニュアンスは近いので、言いやすい方で大丈夫です。
シー イェーク
「交差点」という意味です。
ファイ デーン
「信号」という意味です。直訳すると「赤い火」で、信号そのものを指す言葉として使われます。

降車時に使う言葉

タオライ
「いくら?」という意味です。
メーターを使わないタクシーやバイクタクシーで、事前に料金を確認したい時に使います。
マイトントーン
「お釣りは取っておいて」という意味です。
「トーン」が「お釣り」を表す言葉。この一言がお釣り不要の意思をはっきり伝える言い方で、前に「マイペンライ(気にしないで)」を添えて「マイペンライ、マイトントーン」と続けると、より自然に聞こえます。

メーターを使っていれば、料金自体で揉めることはあまりありません。

1000バーツ札は要注意

  • タクシーはお釣りを十分に持っていないことが多い
  • 特に1000バーツ札は、出しても断られたり両替を探す羽目になったりする
  • できるだけ100バーツ札以下の細かいお金を用意しておくと会計がスムーズ

配車アプリ・流し・バイクタクシー・トゥクトゥク、どれがいい?

バンコクの移動手段は、主に4つあります。
配車アプリ、流しのタクシー、バイクタクシー、トゥクトゥク。それぞれ向き不向きがあります。

配車アプリ(Grab、Boltなど)
アプリに行き先を入力すると、乗車前に料金が表示される仕組みなので、言葉に自信がなくても気軽に利用できるのが利点です。
ドライバーの評価も見られるので、安心感があります。バイクタクシーもこのアプリから呼べます。
一方で、ソイカウボーイやナナプラザのような細い路地が多いエリアだと、車が近くまで来られず、乗車ポイントが分かりにくいこともあります。
流しのタクシー
手を挙げればすぐ止まってくれるので、待ち時間がほぼありません。
短距離ならアプリより安く済むこともあります。
その代わり、行き先を自分の口で伝える必要があり、メーターを使うかどうかも運転手次第という不確定要素が残ります。
バイクタクシー(モーターサイ)
オレンジ色のベストを着たドライバーが、街角の「乗り場(ウィン)」で待機しています。渋滞をすり抜けられるので、近距離なら一番早いことも多いです。
料金は本来、乗り場の看板に行き先ごとの金額が書いてあるのですが、タイ語表記なので旅行者には読めません。それを見越して、看板より高い金額を言ってきたり、頼んでもいない別の店に連れて行こうとしたりするドライバーもいるので注意が必要です。乗る前に「タオライ(いくら?)」で金額を確認しておくと安心です。
トゥクトゥク
三輪の乗り物で、観光気分は味わえますが、実用面では正直あまりおすすめできません。
メーターがなく交渉制で、観光客向けに高めの金額を提示されることがほとんどです。移動そのものより、体験として乗るものと割り切った方が気楽です。

急いでいない時や、言葉に自信がない時は配車アプリ。
タイ語の一言が使えて、その場で拾いたい時は流しのタクシー。渋滞をすり抜けたい近距離移動ならバイクタクシー。
そんな使い分けができると、移動がぐっと快適になります。

虎の巻:これだけ見せればOKなタイ語カンペ【カード一覧】

ここまで紹介したフレーズを、全部まとめて一覧にしました。
発音に自信がなかったら、無理に声に出さなくても大丈夫です。スマホの画面をそのまま見せて、指差すだけでも十分伝わります。

下の日本語訳は、あえて言い切りの形にしています。丁寧に言いたい時は、語尾に「クラップ」を付けるだけでOKです。

乗車時に使う言葉

ไป … ได้ไหมパイ 〇〇 ダイマイ
〇〇に行ける?
Can you go to ~?
อยากไป …ヤーク パイ 〇〇
〇〇に行きたい
I want to go to ~
ถนนタノン
通り
Road
ซอยソイ
路地
Lane
ปากซอยパーク ソイ
路地の入り口
Entrance of the lane
เข้าซอยカオ ソイ
ソイに入って
Turn into the lane
ใช้มิเตอร์หน่อยチャイ ミーター ノイ
メーターを使って
Use the meter, please
ใช้ทางด่วนได้ไหมチャイ ターンドゥアン ダイマイ
高速使っていい?
Can we take the highway?
เปิดข้างหลังหน่อยプーッ カンラン ノイ
トランク開けて
Open the trunk
ได้ダーイ
いいよ(OKの合図)
OK, sure
ไม่ได้マイ ダイ
できない、無理
No, can’t

道中で使う言葉

ตรงไปトロン パイ
まっすぐ
Go straight
เลี้ยวซ้ายリアウ サーイ
左に曲がって
Turn left
เลี้ยวขวาリアウ クワー
右に曲がって
Turn right
ช้าๆチャーチャー
ゆっくり
Slow down
กลับรถグラップ ロット
Uターンして
Please make a U-turn
จอดตรงนี้ジョー トロンニー
ここで停めて
Stop here
ลงที่นี่ロン ティーニー
ここで降ります
I’ll get off here
สี่แยกシー イェーク
交差点
Intersection
ไฟแดงファイ デーン
信号
Traffic light

降車時に使う言葉

เท่าไหร่タオライ
いくら?
How much is it?
ไม่ต้องทอนマイトントーン
お釣りは取っておいて
Keep the change

まとめ:タクシーは移動の第一関門

行き先を伝えて、メーターをお願いして、降りる時に一言添える。
タクシーで交わす言葉は、実はそのくらいのものです。

タクシーでのやり取りは、ほんの数分の出来事です。
ここでつまずかなければ、あとの時間はぐっと気楽に過ごせます。

次はお店編、値段交渉編と、シーンごとに使えるフレーズを紹介していく予定です。
まずは今回の内容から、気軽に一言、口に出してみてください。

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